電機部門

プラネタリウムを構成する投影機にも種類があり、大きいものから小さいものまで数千個の星を映し出す、プラネタリウムの核となる投影機を主投影機といいます。

電機部門は、主投影機の作業にかかわる部門です。

大阪大学のプラネタリウムの大きな特徴の1つとして、星空の回転や星座絵・星座線の投影、光害や朝焼け夕焼けの演出のタイミング、さらにはプラネタリウム内の照明の管理なども音声信号(ASK-UART)によって全て自動で行なっていることが挙げられます。その信号制御を行う制御回路「プラネタリウムドライバー」、と星を映すためのフィルムを球状に配置した「恒星球」、そして恒星球や星座絵などの投影機が取り付けられ、それらに電力や制御信号を送り届ける役割も持つ「円盤」、など、主投影機を扱っているのが電機部門です。

プラネタリウムドライバーは、プログラム部門で作成された音声信号を受け取り、それぞれの必要な部分に適当な信号を出力します。プラネタリウムドライバーは2012年までは大型のアナログ回路を使用していましたが、マイクロコンピューターを利用して小型化した新プラネタリウムドライバーを部員が設計・作成し、2013年から使用するようになりました。マイクロコンピューターを利用することによって使用する電子部品が格段に減り、メンテナンスが容易になりました。また、ソフトウェア側で信号・電源制御の変更ができるため、以前より自由に投影機の挙動の変更を行えるようになりました。

円盤ではドライバーから送られてきた信号を受け取って、星を映しだしたり、空を回転させたりしています。また、SE部門が扱っている星座絵、星座線投影機に信号を送るのも円盤です。電子回路や配線が表面に配置されていますが、その中の部品がひとつだけ壊れても、正しく動かなくなるときがあるくらい繊細なものです。経年劣化等で壊れてしまった部品はその都度交換します。作業には専門の知識が必要になるので、電子回路についての理解も電機部門に必要です。

恒星球とは円盤に取り付けられる恒星投影機です。大阪大学の投影機は二球ピンホール式で、南側と北側の二つの恒星球があります。恒星球はアクリルの骨組みに星を印刷したリスフィルムを貼り付けて作られてますが、その恒星球のフィルムに傷がつくと、投影された星空におかしな跡がついてしまいます。そのため非常に繊細に扱わなければなりません。フィルムは経年劣化するので、数年に1度作り替えます。

本番での作業は、主投影機の組み立てと管理です。プラネタリウムの外装が組み立て終わった後に始まります。円盤を取り付けるための土台を組み立て、星空を回転させるためのモーターを取り付けます。最後に恒星球を取り付け、最終調整を施して作業は完了です。どの作業も時間がかかり,また外装の組み立て直後の作業ということもあって、根気と体力が必要となりますが、ドームに映し出された美しい星空を最初に見ることが出来るのは電機部門の特権です。

繊細な作業が多く、知識も必要だし、いつも機材トラブルに追われている電機部門ですが、その活動はとても奥が深く、どこまでも飽きません。今年も電機部門の悲鳴と歓声がドームに響いていることでしょう。

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